zksuki

猫山月彦

ミステリ作家。
アガサ・クリスティに憧れ、教育学部卒。

ミステリ好きは卒業後も続き、いつかは自分の作品を、という思いは会社員時代も消えることはなかった。
夢は募り、いよいよドミノへの執筆に着手。
出版社への持ち込みと平行して、書き上げた作品をとある公募展に応募したところ、最終選考の十編に残ったと連絡が入る。
期待が高まる中、まさかの落選ににショックを受け、また仕事も多忙になったことから、数年単位で放置する。

時が経ち仕事も落ち着いてきた頃、やはり作家への道が諦められず、改めてドミノへの再執筆、書き直しに取り組む。
蓋をあけてみれば、構想20年、執筆10年という非常に長い時間をドミノへに費やす中で、家族や友人知人が次々と鬼籍に入り、
当てにしていた購入者、購読者が周りからいなくなるという事態に。
さらに自身も肺気腫、大腸がんを立て続けに患う中なんとしてでも書き上げたい、という一心で2022年2月に長編ミステリ「ドミノへ」を上梓する。
体力的な面から自費出版という道を選ぶが、周りに買ってくれる人がおらず、丼丼を書生に誘ってネットでの販促活動に挑戦。

現在は再発もなく、趣味のハイキングや、ネットで知ったチェアリングに出かけ、体力向上に務める日々を送る。

吉田丼丼

猫山月彦の書生。

文学はもとより、読書とは無縁の生活を送る。勉強は苦手。

十代後半から二十代にかけて自転車遊びにハマり、日本全国北は北海道から南は沖縄まで各地を巡り、1/2生分位はキャンプをした。
スタイルは一泊二日から一ヶ月程度の長期までと様々。その時に行程の立て方や野営の仕方を学ぶ。
今でも思い出深いのは、日本縦断旅行と、当時流行っていた香川うどん旅。
逆に苦手な自転車遊びはトレイルやトライアル。ハンガーノック、脱水を経験。

三十代になり『人生ってなんだろう』と迷いが生じたことから、都内の寺社仏閣や史跡めぐりをするようになる。
その中で今では文通仲間でもあるお姉さんと出会い、彼女からきれいな栞をいただいたことがきっかけで読書するように。
文字に馴染み、長編小説が読めるようになったころ、すでにお寺仲間であった猫山から偶然にも「実は小説を書いてるから、読んでみて」と打ち明けられる。
幸いにも読書グセが着いてたことから快諾するも、616頁という読んでも読んでも減らないページに『果たして僕に読み通せるのか」と不安になりながら、合計七回読破。

生まれて初めて作家という人種に出会い、成し遂げる、やり遂げる姿を目の当たりにし、達成する素晴らしさに感銘を受けた。

ちなみに書生の私がおすすめする、ちょっと亜流な「ドミノへ」の楽しみ方は2つ。
1. 登場人物を全員(モブキャラも)数えてみる。2. 殺された(死んだ)人数を数える

最近好きな本は、羽根田治さんの書く遭難シリーズ。
生と死の分かれ目が緻密に描かれ、登山を舞台とする選択の恐怖が実生活にも重なり、心に重く響く。
文通仲間のお姉さんと、また別の読書仲間のお兄さんから異口同音に「歎異抄」を進められるも、こちらも怖くて読めない。