
ブレンドの妙
はてさて、とある静かな夜更けのこと、久しぶりでアガサとの邂逅を果たせました。こういった邂逅なるものは
”じゃハチ公前で、土曜日六時半ね”
なんてわけにはいかないのです。
心静かに思いを馳せ、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなくとつおいつしてゆくうちに、霧の立ち昇るがごとく現れるともなく訪れてくるものなのです。
で、紅茶なんぞを飲みつつ、
ちなみに紅茶はアガサがイギリス人だからというより、ワタクシが好きなのであります。一時期アメ横などでずいぶん高い紅茶を購入したりも
しましたが、現在は自分なりのアレンジでブレンドすることを覚え、以来けっこうおいしく定着しております。
ブレンドなどというと大袈裟ですが、なに、ダージリンとオレンヂペコを混ぜているだけのことです。だけどけっこうイケますよ。気にいってます、ハイ。
ダージリンだけだとスッキリしすぎて、ややもの足りない。そこでオレンヂペコを入れるとコクが出て色もキレイ。オレンヂペコの代わりに赤い袋の日東紅茶にしてもOK。
思いますにこの”ブレンド”って、案外大事なことのようです。与えられたものをそのまま、というのではなく、自己主張がありますよね。
そのままがいいことも多いけど、ちょっと手を加えてみるってのもステキなことです。
以前スリランカに行った折に、強制的に紅茶工場へとつれていかれたのです。そして、そこで作られた紅茶の茶葉が有名なフォーションやらトワイニングやらの紅茶のベースになるのだと説明を受けました。つまり、その茶葉に各社がオリジナルのブレンドを加えて自社ブランドの紅茶として販売するのだとか。
勧められて、その工場の最高級茶葉を買ってきましたよ。ところが、帰国してイザ飲んでみてガッカリ!なんかひと味もの足りないんです。喉に残るものがなんにもない。なさすぎ。
そういえば、工場でふるまわれた紅茶もこんなカンジでした。あれは接客用ので最高級ではなかったからだと思っていましたけど、同じ葉ッパだったようです。
そこで分かりました。紅茶のおいしさって、各メーカーの最後のブレンドにあったのだ!…と。
ブランドってダテじゃなかった、というか、ブレンドってスゴイことなんだ!と。
という次第で、メーカーがブレンドしたものを更にブレンドするのだから、おいしくないワケがないですね。
アガサもこの月彦ブレンド、けっこう気にいってくれてるんですよ。おかわりとかしますから。で、それが”クィン氏”とどういう関係があるのか?はたまたアガサはサタスウェイト氏への想いを語ったのか?はまた紅茶を淹れた時にでも。